テータテート

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久しぶりの花日記です。
この一年間、花たちを見る余裕がなかったのですが、
ようやく春のきざしが出てきたと共に、庭へ足を運んでみました。
冬の間、お休みしていたガーデニング。
おそるおそる見に行った庭には、
放っておいたにもかかわらず、例年と同じように
テータテート達が仲良く肩を並べるかのように
花を咲かせていました。

植え付け、種まきの時には
日当たりのよい場所選びや土選びにいろいろと調べて悩んで、
それから初めての花を咲かせるまでは
周囲の雑草を抜いたり、あれやこれや構うのですが、
一度花をつけると、新しい子たちや他の仕事に手をとられて、
構ってあげられなくなる、球根や宿根の花たち。

ふだん見てあげられなくても、
久しぶりに様子を見に来ても、
こうやってちゃんと花を咲かせている姿を見ると、
なんとも言えない嬉しい気持ちになります。

人や店も同じこと。

思い通りにならない事をあれこれ思うより、
その花や人や店自身がもつ力があることを
ちゃんと認めて信じて寄り添う事が大切なのだと
思えるようになりました。
そして、私たちができるのは、
その環境を整えてあげること。

花たちはまだ冷たい水を浴びながらも
久しぶりの太陽に
喜んでいる顔をしているように見えるのでした。

雪割草

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先日、スタッフから電話があり、
「雪割草が咲きそうですよ。」とのこと。
ホテルの敷地内に咲く花は
ほとんど取り上げたつもりでいたので、
驚いて「どこ?どこ?」と聞いたところ、
神殿前の幸せの架け橋辺りだとのこと。
さっそく行ってみると、
幾つもの蕾が、朝露に濡れた苔の中で
寒そうにたたずんでいました。

さっそく先輩に聞いてみると、
その電話をくれたスタッフの庭に自生している
雪割草からたくさん種がとれたので、
2年前に蒔いたのよ、とのことでした。

雪割草って、園芸屋さんで高価な苗で
売っているイメージが強かった私にとって、
種からここまで育つことにちょっと意外な感じ。
思い込みってよくないものだなぁ、と思いながら
正確な知識を得よう、と調べたところ、
雪割草という名前は早春に咲く
7種10科以上の種類の花の通称で、
その多くはキンポウゲ科ミスミソウ属の
ミスミソウという山野花のことだということでした。
高山に咲くユキワリソウとは別モノらしいです。

そして調べれば調べるほど出てくるのが、
園芸家さんや園芸店さんによる交配に関する話ばかり。

人の手によって生まれた素晴らしい花もあるけれど、
雪割草って、人の手で交配すべき花なのかなぁ。
山野草ってなんだかそっとしておいてあげたい。
それでも多くの高価な苗が売られていることを思うと、
自分の意見のほうが圧倒的に少数派なんだろうなぁ。

ちなみに雪割草(ミスミソウ)は、
同じ親花から採れた種同志であっても
それぞれが違う色の花が咲くという、
珍しい性質を持っているそうです。
自らそんな個性を持っている花ならなおのこと、
人の手で運命をいじくらずに、
自然のおもむきに委ねてあげたいものです。

ふきのとう

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子供のころ、よく平栗へ行きました。
平栗は金沢市内にある、タケノコの里。
早春に訪れる時は、雪をかきわけてふきのとう探し。

雪がなくなると開花が一気に加速し、
開ききったふきのとうは美味しくないから、
雪が解ける前にとらなきゃ!
子供にとってそれは宝探しのようなイベントでした。

先日テレビのニュースで、
3月1日に解禁になったものがいくつもあります、
とアナウンサーが読み上げていました。
なんとなく聞き流していたら、耳に入ってきたのが
「ふきのとう」もそうだということ。
ふきのとうにも解禁日があることに驚きつつ、
もうそんな季節なんだなぁ、と敷地内を探してみました。

そしたら、あったあった!
チャペルの前庭にある水路の脇に
ちょうど開かんとしている、幾つものふきのとうが。
命ある植物には不謹慎ですが、なんとも美味しそう!

子供のころのふきのとうは探し当てて、
よく見つけたね、と褒められる為のもの。
いざ料理されて食卓に並ぶと
苦ーい!!美味しくなーい!!
食べるためのものではありませんでした。

でも大人になって地面から生えている姿をみて
美味しそう、と思えるようになったのは、
子供のころにイヤイヤでも食べていたおかげ。

人間が味覚を感じるのは、舌の上の味蕾(みらい)
という細胞。そしてその味蕾の数は
圧倒的に子供のほうが多く、12歳がそのピーク。
大人たちが美味しい、美味しくない、というのは
それまでの経験値から脳が引き出すジャッジ。

ふきのとうは色んな思い出と共に
今になってわかる大人たちの愛情を示してくれ、
大人になった私たちが、今の子供たちに
同じ愛情を注いでいるのか、
考えさせてくれるのでした。

クロッカス

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今年の冬は長い長い冬でした。
北陸が豪雪だと全国ニュースで連日流れましたが、
住んでいるものとして実感したのは、
ニュースで流れていた雪の量の多さではなく
凍てつくように寒かった事と、
いつまでも雪が残っていたこと。
連続して雪の日というのは少なく、
晴れの日の休憩をはさみながら長い期間降っていたので、
除雪に関してはむしろ例年より楽だった印象です。

人はすぐに「量」で物事を測りがちですが、
先日の東京の雪にしても、
人が感じる体感と量とは必ずしも一致しないものですね。

さて、雪がとけた地面から
さっそく春の知らせが顔を出していました。
ホテル正面玄関の脇の芝生に
鮮やかな黄色のクロッカスの蕾が顔を出しています。

何年前になるのか忘れましたが、
芝というものは強すぎるが故、なかなか人が植える花とは
共存できない、という話を聞き、
そんな事はないだろう、とお試しで植えてみた球根です。
その生命力は芝生どころか、
長い間、雪で覆われていた地面の中でも
しっかりと根ざして、芽を出す日を待っていました。

「量」で測られる苦しみと、本人たちの苦しみは別種。
少ない量で苦しむ人もいれば、
こんなに多い量の雪の降った冬でも
しっかりと越冬したクロッカスもいる。

クロッカスの蕾は鮮やかな黄色と共に
なんだか弾むような気持ちにさせてくれています。

花瓜草(ハナウリクサ)

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ホテルの敷地のあちこちで
花瓜草が満開で群生して咲いています。

インドネシア原産でアジアからアフリカにかけ
暖かい場所で暑い時期に咲く花です。

一年草らしいのですが、3年前に植えてから
とにかくこぼれ種で年々増えて行き、
最初はチャペル前庭にしか植えなかったのに、
今ではチャペルの裏やプールサイドの花壇など
どんどんその範囲を拡げていっています。

特に今年は、春にチャペルの改築を行い、
その時に前庭は
車イスの方用のスロープを作ったり、
工事業者さんの出入りがあったりで
かなり激しくダメージを受けたので、
さすがに今年は咲かないだろう、
と思っていただけに、
その逞しい生命力に脱帽です。

明らかに日本の紫の花とは違う、
鮮やかで光沢のある、まるでベネチアの仮面
に使われるような紫色をした、この中途組は
繁殖力の強い花にありがちな
土壌を壊すこともなく、
以前からいる花たちとも上手に共存をし、
なんだかずっと昔からそこにいたような
そんな安堵感さえ与えてくれる存在に
なってくれています。

ひまわり

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ひまわりは一年草。
栽培が簡単だと思われている割には
種を直に花壇に植えても、あまり成功しません。
そしてたとえうまく育っても一年きりの花。
だから今まで避けていたのですが、
「新しいチャペルの周りがひまわりで
埋め尽くされたらきっとステキ!」という
一人の夢見るウェディングプランナーの声をうけ、
今年は何年かぶりにひまわり畑に
チャレンジしてみました。
直植えで失敗した過去の経験をいかし、
種を一粒一粒、発芽用のポットに植え、
ある程度の苗になってから花壇に植え付け。
チャペル前庭、プールサイド、レストランの庭、
いろんなところに植えました。


ひまわりは、
陽を追って周るように咲くから
「陽周り」・・・ひまわりって名前が
ついたんだと幼い頃教わりました。
大人になり、その物語は嘘だと
誰かから聞いて、どっちが本当なんだろう?
とずっと思っていました。

うやむやな知識でいるのは嫌だったので、
今回、ちゃんと調べてみたところ、
成長期にあるひまわりは
朝は陽の昇る東を向き、
夕方には日の沈む西を向いて、
翌朝にはまたちゃんと
太陽の昇る東を向くとのこと。
ただし、これは成長期の向日葵にだけ起きることで、
成長の止まった向日葵は
太陽に合わせて回る、という柔軟性を失い、
基本的にはずっと東を向いて固定されるとのことでした。

成長が止まると頑固になって
ひとつの方角しか見れなくなる、
人間にもあてはまる事のように思えました。

だったらたとえ花を開くことなく
終わることになってでも、
ずっと太陽を追いかけている方がいいなぁ。

そしてひまわりは、
放射性セシウムを吸収する作用があり、
原発事故などにより汚染された土地に
植えられるとよいことを知りました。

このホテルにある花は散々書きつくして
もうネタがないんじゃないかと思っていたけれど
ひまわりは、今、一番大事なものは何かを
教えてくれえたような気がします。

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捩花(ネジバナ)

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ジメジメとした天気が続く中、
ねじ花が一斉に花を咲かせました。

別名をモジズリ(綟摺/捩摺)と呼ばれ、
小型のラン科の多年草なのですが、
ラン科としては異例に、
公園などの芝生や土手に咲き、
割と身近に見ることができる為、
キレイな雑草、くらいの扱いで、
芝刈り機で刈られてしまう事がほとんど。

実は私たちも3年前までは
この花を芝刈り機で刈ってしまっていました。

植えた花たちだけじゃなくて
愛らしい雑草も共存できる庭にしようよ。
そんなあまり聞いた事のない方針で
このホテルのガーデニングをすすめ始めたのは、
このねじ花がきっかけです。

2009年6月8日「ねじねじ草」
2010年7月2日「捩摺(モジズリ)」
ととり上げ、これで共存3年目です。

以前は何度も草刈りのおじさんに
これはキレイな花を咲かせるから刈らないで、
と願いしても刈られてしまったのですが、
今年の梅雨入り前の庭は、
あまりに草がボーボーで雑然としていたため、
今年は面倒なこと言わないから、
とにかくスッキリさせてほしい、
と、まるで床屋さんに坊主して!
と伝えるかのごとく依頼したところ、
いつもガッツリ刈るおじさんが
ネジバナの葉はちゃんと残しておいてくれたのでした。

言葉だけだとイメージは伝わりづらいけど、
2年間、私たちが手でせっせと雑草を刈り、
おじさんの目に画として示した風景は、
言葉よりはるかに伝わっていたようです。

さて、ネジバナについて
「君はどうしてそんなにネジネジしてるの?」
と2年続けて書いてきたのですが、
やっとその事について触れている文献を見つけました。
花が一定の方向にだけつくと、
茎がそちらに傾くので、
あらゆる方向へのバランスをとりながら、
上へ上へと伸びていけるように、
ねじって花をつけるようになった、という説です。

また、ネジバナは可愛いからといって
鉢に植えても定着が難しく、
雑草としてのプライドを感じる、
なんて書いた事もありましたが、
ネジバナは根っこが芋のような多肉根であるがため、
雪には強いけれど、霜にはめっぽう弱いらしく、
そこさえきちんとケアしてあげれば
鉢に植え替えしても育つようです。

咲いている時期はほんの10日くらい。
基本的には、その間にハナバチに手伝ってもらい、
受粉するのですが、そんな出会いがなくても
最悪の場合、自力で自家受粉もできるそうで、
つくづく、植物の進化には関心させられるのでした。

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庭石菖(ニワゼキショウ)

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ホテルの正面玄関前にある、
芝生のロータリーに
直径5ミリほどの小さな花が群生しています。
花びらが5つの白い花と紫の花。
この花は何?と思い調べてみたところ、
「庭石菖(ニワゼキショウ)」という花でした。

アヤメ科のこの花、受精すると一日でしぼむ
「一日花」という分類だそう。
代表的なところではアサガオがこの一日花です。

一日しか咲かないものの、
画像にも蕾がたくさん映っていることから
わかるように次々と花を咲かせ、
また地下茎もどんどん伸ばしていくので
生命力はしっかりとした多年草です。

明治時代に植物園に植えるための
観賞用の品種が輸入され、
その後雑草的な品種が
野生化したと見られています。

小さな小さなこの花は、
日当たりのよい芝生や荒地に生育する事が多く、
放置していても草丈が高くならない、
痩せた土壌をむしろ好むそうです。

春から初夏にかけて、毎日咲き続け、
毎日微かに風景を変えて続ける庭石菖。
けっして華やかではなく目立たないけれど、
しっかりとした根をはり、
小さくともキチンとした顔立ちのこの花。

去年までの5月、6月は、
珍しいものや華やかなものにばかり目がいき
痩せた土壌を好む1日限りの5ミリの花を
見落としていたんだろうなぁ。

人もいろんな人がいるけれど、
花にもいろんな花がある。
どれがよくてどれが悪いなんてない。
またそんな思いにさせてくれる花との出会いでした。

野アザミ

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ホテル敷地のチャペルの周りで
野アザミが咲く季節になりました。

アザミの葉先にはトゲがあり、
切り花にする為に切ったり、
葉をむしったりする時には、
軍手をつき通してトゲがささり
とても痛い思いをします。
これは大型の草食動物に食べられないよう
進化した形だと言われていますが、
どうも人間の知恵には敵わないようで、
世界各地で昔からアザミは
色んな調理法で食べられてきています。

そしてアザミの葉はタンポポの葉のような
地面に平たくつくような形をしています。
この形(ロゼット葉というらしい)は、
草刈り機で刈っても刈る事ができず、
踏みつけられても地表から下部はしっかり守られます。
が、逆にこの形の葉の植物は、
ある程度、定期的に手入れをした土地でないと
上手く繁殖していかない事も最近になって知りました。
世界中のアザミ品種の1/3が日本にあることと
日本の里山文化は関係があるのかもしれません。

またアザミの花は満開の時期を過ぎると、
ちょっと粉をふいたみたいになるのですが、
これは先に雄しべが成熟し、花粉を出した後に、
閉じた状態の雌しべが出てきた時に見られる光景で、
これは自家受粉を防ぐための進化だということでした。

こうやって調べてみると、
アザミの自分を守り、種を守る対策はすごいです。


もっとこうしておけばよかった。
もっとああしてくれていればよかったのに。
そんな風に考えるとキリがありません。
100%イメージしたシナリオ通りの
今や未来なんてごくごく僅か。


色々対策をうっていたからこそ、
今、このくらいでいられる。
何もしていなかったら、
もっとひどかったに違いない。
そんな風に考えてこそ次の一歩が踏み出せる。
自分を責めたり、人を責めたりするのはやめようよ。
野アザミはそう語りかけているかのようです。

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紫鷺苔(ムラサキサギゴケ)

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5月に入ってから、
敷地内の神殿の前庭が
まるで紫色の絨毯を敷き詰めたように
小さな花が群生しています。

最初はスミレだと思っていたのですが、
日に日に拡がっていく様子から、
あれ?と思いしゃがんでよく見てみると、
その花はスミレより少さく、
鷺草のような形のまったく違う花でした。

その花の名はムラサキサギゴケ。

コケという名前がついていますが、
コケではなく、地を這うように
匍匐茎の横枝でどんどん伸びていきます。

田んぼの畦道や湿地帯に多く見られる、
と言われていますが、
調べてみるとこのムラサキサギゴケは
強害雑草を抑制するという論文もありました。
どうやら花にとっても人にとっても
お互いに良い関係のようで何よりです。

また何だかかわいそうで、実験できませんが
この紫鷺苔はオシベのように見える
雌ずいの突起を小枝などで触れると、
ゆっくりと花が閉じるそうです。

昨年までは見かけなかったのに、
今年になって急に群生し始めた紫鷺苔。
すぐ隣で咲いているレンゲを見ながら
徐々に山の中を流れる水の道が
変わってきているようだなぁ、
と思っていた矢先の紫絨毯です。


植物たちは口を聞けない分、
私たちはその姿をしっかりと観察し、
自然が伝えようとしている事を
心の耳で聞いてあげなければ、
と思うのでした。

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