花瓜草(ハナウリクサ)

| コメント(0)

ナツスミレ2011‐1.JPG

ホテルの敷地のあちこちで
花瓜草が満開で群生して咲いています。

インドネシア原産でアジアからアフリカにかけ
暖かい場所で暑い時期に咲く花です。

一年草らしいのですが、3年前に植えてから
とにかくこぼれ種で年々増えて行き、
最初はチャペル前庭にしか植えなかったのに、
今ではチャペルの裏やプールサイドの花壇など
どんどんその範囲を拡げていっています。

特に今年は、春にチャペルの改築を行い、
その時に前庭は
車イスの方用のスロープを作ったり、
工事業者さんの出入りがあったりで
かなり激しくダメージを受けたので、
さすがに今年は咲かないだろう、
と思っていただけに、
その逞しい生命力に脱帽です。

明らかに日本の紫の花とは違う、
鮮やかで光沢のある、まるでベネチアの仮面
に使われるような紫色をした、この中途組は
繁殖力の強い花にありがちな
土壌を壊すこともなく、
以前からいる花たちとも上手に共存をし、
なんだかずっと昔からそこにいたような
そんな安堵感さえ与えてくれる存在に
なってくれています。

ひまわり

| コメント(0)

ひまわり4.JPG

ひまわりは一年草。
栽培が簡単だと思われている割には
種を直に花壇に植えても、あまり成功しません。
そしてたとえうまく育っても一年きりの花。
だから今まで避けていたのですが、
「新しいチャペルの周りがひまわりで
埋め尽くされたらきっとステキ!」という
一人の夢見るウェディングプランナーの声をうけ、
今年は何年かぶりにひまわり畑に
チャレンジしてみました。
直植えで失敗した過去の経験をいかし、
種を一粒一粒、発芽用のポットに植え、
ある程度の苗になってから花壇に植え付け。
チャペル前庭、プールサイド、レストランの庭、
いろんなところに植えました。


ひまわりは、
陽を追って周るように咲くから
「陽周り」・・・ひまわりって名前が
ついたんだと幼い頃教わりました。
大人になり、その物語は嘘だと
誰かから聞いて、どっちが本当なんだろう?
とずっと思っていました。

うやむやな知識でいるのは嫌だったので、
今回、ちゃんと調べてみたところ、
成長期にあるひまわりは
朝は陽の昇る東を向き、
夕方には日の沈む西を向いて、
翌朝にはまたちゃんと
太陽の昇る東を向くとのこと。
ただし、これは成長期の向日葵にだけ起きることで、
成長の止まった向日葵は
太陽に合わせて回る、という柔軟性を失い、
基本的にはずっと東を向いて固定されるとのことでした。

成長が止まると頑固になって
ひとつの方角しか見れなくなる、
人間にもあてはまる事のように思えました。

だったらたとえ花を開くことなく
終わることになってでも、
ずっと太陽を追いかけている方がいいなぁ。

そしてひまわりは、
放射性セシウムを吸収する作用があり、
原発事故などにより汚染された土地に
植えられるとよいことを知りました。

このホテルにある花は散々書きつくして
もうネタがないんじゃないかと思っていたけれど
ひまわりは、今、一番大事なものは何かを
教えてくれえたような気がします。

ひまわり5.JPG

捩花(ネジバナ)

| コメント(0) | トラックバック(0)

ネジバナ4.JPG

ジメジメとした天気が続く中、
ねじ花が一斉に花を咲かせました。

別名をモジズリ(綟摺/捩摺)と呼ばれ、
小型のラン科の多年草なのですが、
ラン科としては異例に、
公園などの芝生や土手に咲き、
割と身近に見ることができる為、
キレイな雑草、くらいの扱いで、
芝刈り機で刈られてしまう事がほとんど。

実は私たちも3年前までは
この花を芝刈り機で刈ってしまっていました。

植えた花たちだけじゃなくて
愛らしい雑草も共存できる庭にしようよ。
そんなあまり聞いた事のない方針で
このホテルのガーデニングをすすめ始めたのは、
このねじ花がきっかけです。

2009年6月8日「ねじねじ草」
2010年7月2日「捩摺(モジズリ)」
ととり上げ、これで共存3年目です。

以前は何度も草刈りのおじさんに
これはキレイな花を咲かせるから刈らないで、
と願いしても刈られてしまったのですが、
今年の梅雨入り前の庭は、
あまりに草がボーボーで雑然としていたため、
今年は面倒なこと言わないから、
とにかくスッキリさせてほしい、
と、まるで床屋さんに坊主して!
と伝えるかのごとく依頼したところ、
いつもガッツリ刈るおじさんが
ネジバナの葉はちゃんと残しておいてくれたのでした。

言葉だけだとイメージは伝わりづらいけど、
2年間、私たちが手でせっせと雑草を刈り、
おじさんの目に画として示した風景は、
言葉よりはるかに伝わっていたようです。

さて、ネジバナについて
「君はどうしてそんなにネジネジしてるの?」
と2年続けて書いてきたのですが、
やっとその事について触れている文献を見つけました。
花が一定の方向にだけつくと、
茎がそちらに傾くので、
あらゆる方向へのバランスをとりながら、
上へ上へと伸びていけるように、
ねじって花をつけるようになった、という説です。

また、ネジバナは可愛いからといって
鉢に植えても定着が難しく、
雑草としてのプライドを感じる、
なんて書いた事もありましたが、
ネジバナは根っこが芋のような多肉根であるがため、
雪には強いけれど、霜にはめっぽう弱いらしく、
そこさえきちんとケアしてあげれば
鉢に植え替えしても育つようです。

咲いている時期はほんの10日くらい。
基本的には、その間にハナバチに手伝ってもらい、
受粉するのですが、そんな出会いがなくても
最悪の場合、自力で自家受粉もできるそうで、
つくづく、植物の進化には関心させられるのでした。

ネジバナ3.JPG

庭石菖(ニワゼキショウ)

| コメント(0)

ニワゼキショウ1.JPG

ニワゼキショウ4.JPG

ホテルの正面玄関前にある、
芝生のロータリーに
直径5ミリほどの小さな花が群生しています。
花びらが5つの白い花と紫の花。
この花は何?と思い調べてみたところ、
「庭石菖(ニワゼキショウ)」という花でした。

アヤメ科のこの花、受精すると一日でしぼむ
「一日花」という分類だそう。
代表的なところではアサガオがこの一日花です。

一日しか咲かないものの、
画像にも蕾がたくさん映っていることから
わかるように次々と花を咲かせ、
また地下茎もどんどん伸ばしていくので
生命力はしっかりとした多年草です。

明治時代に植物園に植えるための
観賞用の品種が輸入され、
その後雑草的な品種が
野生化したと見られています。

小さな小さなこの花は、
日当たりのよい芝生や荒地に生育する事が多く、
放置していても草丈が高くならない、
痩せた土壌をむしろ好むそうです。

春から初夏にかけて、毎日咲き続け、
毎日微かに風景を変えて続ける庭石菖。
けっして華やかではなく目立たないけれど、
しっかりとした根をはり、
小さくともキチンとした顔立ちのこの花。

去年までの5月、6月は、
珍しいものや華やかなものにばかり目がいき
痩せた土壌を好む1日限りの5ミリの花を
見落としていたんだろうなぁ。

人もいろんな人がいるけれど、
花にもいろんな花がある。
どれがよくてどれが悪いなんてない。
またそんな思いにさせてくれる花との出会いでした。

野アザミ

| コメント(0)

ノアザミ2011-1.JPG

ホテル敷地のチャペルの周りで
野アザミが咲く季節になりました。

アザミの葉先にはトゲがあり、
切り花にする為に切ったり、
葉をむしったりする時には、
軍手をつき通してトゲがささり
とても痛い思いをします。
これは大型の草食動物に食べられないよう
進化した形だと言われていますが、
どうも人間の知恵には敵わないようで、
世界各地で昔からアザミは
色んな調理法で食べられてきています。

そしてアザミの葉はタンポポの葉のような
地面に平たくつくような形をしています。
この形(ロゼット葉というらしい)は、
草刈り機で刈っても刈る事ができず、
踏みつけられても地表から下部はしっかり守られます。
が、逆にこの形の葉の植物は、
ある程度、定期的に手入れをした土地でないと
上手く繁殖していかない事も最近になって知りました。
世界中のアザミ品種の1/3が日本にあることと
日本の里山文化は関係があるのかもしれません。

またアザミの花は満開の時期を過ぎると、
ちょっと粉をふいたみたいになるのですが、
これは先に雄しべが成熟し、花粉を出した後に、
閉じた状態の雌しべが出てきた時に見られる光景で、
これは自家受粉を防ぐための進化だということでした。

こうやって調べてみると、
アザミの自分を守り、種を守る対策はすごいです。


もっとこうしておけばよかった。
もっとああしてくれていればよかったのに。
そんな風に考えるとキリがありません。
100%イメージしたシナリオ通りの
今や未来なんてごくごく僅か。


色々対策をうっていたからこそ、
今、このくらいでいられる。
何もしていなかったら、
もっとひどかったに違いない。
そんな風に考えてこそ次の一歩が踏み出せる。
自分を責めたり、人を責めたりするのはやめようよ。
野アザミはそう語りかけているかのようです。

ノアザミ2011-2.JPG

紫鷺苔(ムラサキサギゴケ)

| コメント(0)

紫鷺苔2011-02.JPG

5月に入ってから、
敷地内の神殿の前庭が
まるで紫色の絨毯を敷き詰めたように
小さな花が群生しています。

最初はスミレだと思っていたのですが、
日に日に拡がっていく様子から、
あれ?と思いしゃがんでよく見てみると、
その花はスミレより少さく、
鷺草のような形のまったく違う花でした。

その花の名はムラサキサギゴケ。

コケという名前がついていますが、
コケではなく、地を這うように
匍匐茎の横枝でどんどん伸びていきます。

田んぼの畦道や湿地帯に多く見られる、
と言われていますが、
調べてみるとこのムラサキサギゴケは
強害雑草を抑制するという論文もありました。
どうやら花にとっても人にとっても
お互いに良い関係のようで何よりです。

また何だかかわいそうで、実験できませんが
この紫鷺苔はオシベのように見える
雌ずいの突起を小枝などで触れると、
ゆっくりと花が閉じるそうです。

昨年までは見かけなかったのに、
今年になって急に群生し始めた紫鷺苔。
すぐ隣で咲いているレンゲを見ながら
徐々に山の中を流れる水の道が
変わってきているようだなぁ、
と思っていた矢先の紫絨毯です。


植物たちは口を聞けない分、
私たちはその姿をしっかりと観察し、
自然が伝えようとしている事を
心の耳で聞いてあげなければ、
と思うのでした。

紫鷺苔アップ2011-2.JPG

イカリ草(イカリソウ)

| コメント(0)


イカリソウ2011-1.JPG

昨年、70歳前後の私の両親が、
お里である平栗という金沢市の
山間部から採ってきてくれ
ホテル敷地内の神殿の右手土手に
移植したイカリ草が花を咲かせました。

イカリ草は、舟のイカリに見える
その4つの花びらに見える部分に蜜をため、
昆虫達がかなり首を突っ込んでこないと
蜜を吸えない造りをしています。
これは蜜だけ吸って受粉のお手伝いを
してくれないことを防ぐための
イカリソウの知恵。

そして結実した種は地面に落ち、
カタクリと同じように
蟻が好む成分を身にまとう事によって
蟻に種子を運んでもらい、
繁殖範囲を拡げていきます。


私たちが植えたイカリソウは
花の時期が終わっってしばらくすると
葉の色が黄緑から緑に、そして茶色と
季節の移り変わりと共に
明らかに枯れた色になるのですが、
その葉は落ちません。
そして春になるとその根元から
新しい茎が出てきて、
小さな小さな若葉色の葉を
幾つもつけるのですが、
その姿はまるで
昨年の葉が今年の葉を守っている
かのようないでたち。
そして更にその葉の下に
隠れるようにして白い花がつきます。


イカリソウ2011-3.JPG

日本中のイカリソウが
こんなカタチをしているのだと
ずっと思い込んでいました。

でも、調べてみると
イカリソウには色んな種類があり、
どうやらこれは常盤イカリ草という、
東北から日本海側の雪が降る地域だけに咲く
特別な種類のようです。
太平洋側のイカリソウは、というか、
このトキワイカリソウ以外は
秋には葉が落ちるようです。

雪が降る地域でだけ、
子を守るように親の葉が
たとえ枯れても散ることなく残る。
これはただの偶然?
それともそれぞれの環境の中で
学び変わっていったもの?

ひとくくりにしちゃいけない。
色んな形があって、色んな理由がある。
その一つ一つに、
ちゃんと向き合えますように。

そして何故だかはわからないけれど、
東北から日本海側に沿って咲く
トキワイカリソウは、
福井県より北の地域では白い花で、
福井県より南では薄紅色の花が咲くそう。


私にはすべての事には何かしら
そうなった理由があるように思え、
スガタ・カタチよりも
その理由の方が大切に思えてならないのです。

続・カタクリの花

| コメント(0)


カタクリ群生2011-1.JPG

ホテル敷地内の別棟に建つ
イタリアンレストランの庭に咲いた
カタクリの花について
3月28日の日記でふれましたが、
今日はその続編です。

1つだけ花が咲いた、
と思っていたのは勘違いで、
その後、次々と蕾をつけ、
結局、今年は7つのカタクリの花が
咲きました。
来年は幾つの花が咲くんだろう?
カタクリは移植が成功すると
3年で花を咲かせる事がわかったけど、
群生するのは何年後?

カタクリの花は通常、
落葉樹の下に咲きます。
落ち葉は雨や山水の水分を含み、
微生物が活発に動いてくれると、
わずかな温もりをもち、
栄養分の宝庫となります。
その栄養分をたっぷりいただき、
いわゆる早春の時期に咲くのは、
落葉樹の葉が生い茂ると、
地面の近いところに咲く
この花たちには陽が当たらなくなるから。
でもそれは、まだ殆どの昆虫達が
動いていない時期。
だからカタクリは蟻が好む成分を身にまとい、
蟻にその種を運んで貰うのです。
蟻に運んでもらった種は土の中で育ち、
花を咲かせるまでには8年間
かかるそうです。

そして、陽射しが強くなり、
木々に葉がつき始めると、
枯れる訳ではなく、
まるで溶けるように地表から姿を消し、
翌年にむけて
再びじっと地中で腐養土からの養分を
貯め込みます。

最初の一歩は踏み出せたけれど、
これから先、えらい長い道のりです。

でも、このカタクリの成長の話は
咲く場所、
咲く時期、
そして身にまとうモノ、
助けてくれる仲間、
至る所に生き延びる為の知恵が溢れていて、
長い道のりでも元気をもらえる、
そんな気持ちになれるのでした。

カタクリ満開2011.JPG

忘れな草(ワスレナグサ)

| コメント(0)

忘れな草2011-1.JPG

プールサイドの花壇の脇、
敷石と壁との僅かな隙間から、

こぼれ種が飛んだ忘れな草が
花を咲かせました。

忘れな草は、今でこそ
ホームセンターで苗で売っていますが、
もともとは雑草として扱われていた花。


名前ばかり有名になって、
あまりその実態を見た事がない、
という人が多い忘れな草。

6年前、たくさん種を買って、

ホテル敷地のあちこちに蒔きました。
覆土も何もしなかったのに、
翌年、多くの花が咲き、
宿根草ではないものの、
種があちこちに飛んで、
毎年どんどん増えていっています。

さすが、元雑草。
小さくて可憐だけれど、それでいて強い花です。

50年経っても、100年経っても、
この小さな花はこの敷地のどこかで
咲き続けてほしい。
花屋で苗で買う特別な花なんかじゃなく
もう一度、雑草として復活してほしい、
そんな勝手な願いを込めた忘れな草。

今の季節から梅雨までの長い期間、
この青い花はホテルを訪れる人々を癒してくれます。

これまでも、そしてきっとこれからも。

忘れな草2011-6trimmed.JPG

レンテンローズ

| コメント(0)

レンテンローズ白2011.JPG

レンテンローズ赤2011-2.JPG

チャペルの周りに植えた
レンテンローズが満開です。

この花、去年は
クリスマスローズという名で
日記を書きましたが、
調べてみると、どうも、
この時期に咲く品種は、
「クリスマスローズ」ではないようで、
あらためて札に書いてある名前を
鵜呑みにしちゃいけないんだなぁ、
と学びたくない事を学びました。

さて、このレンテンローズは、
3月の上旬に白が咲いて、
4月の上旬に赤が咲き、
これから6月までの期間、
両方が咲いている姿を
見る事ができます。

レンテンローズは
みんな揃って恥ずかしそうに
下を向いて咲くので、
ちょっと失礼して覗き込むように
写真を撮らせてもらいました。

『Love does not consist
in gazing each other,
but in looking together
in the same direction.
Saint-Exupery』
『愛とは、
互いに見つめ合うことではない。
ふたりが同じ方向を見つめることである。』

他の太陽を
まるで地面の一点を
照らす小さなランプのように
同じ方向に咲くレンテンローズ
を見ていたら、
「星の王子さま」の筆者、
サン=テグジュペリの言葉を
思い出しました。

向かい合うのではなく、
同じ方向をみること。

これは恋人同士だけではなく、
すべての人と人の関係にあてはまる、
そんな気がするのでした。

レンテンローズ赤2011-1.JPG

最近のコメント