ベランダで野菜を育てるのが大ブームの今、
トマトの花なんて珍しくもないかもしれませんが、
エピソードを一つ。
10年前、私はこのホテルの敷地内に増設された、
イタリアンレストランの店長をしていました。
レストランの店作りの上で、最も大切なものは
チームワークである、と私は昔も今も思っているのですが、
当時、私と一緒に店作りをしてくれていた、
大切な大切な相方である料理長が、頭を悩ませていました。
若い連中が、どうしても食材の大切さをわかってくれない、と。
食材を無駄にすることを、とにかく嫌がる料理長。
でも、血の気が多く、怒ると怖い彼に注意されると、
若い厨房スタッフは、その場はいう事を聞くのですが、
根本から食材の大切さをわかった訳ではないので、
また同じ過ちをおかし、それでは、怒りつづけなければならない。
その事にため息をついていました。
なんとか、この相方の助けになりたい、と思った私の考えついた方法が、
若いスタッフで、野菜を作らせる事でした。
苗を買ってきて、敷地の一部を耕し、植える。
成長してきたら、わき芽を摘んで、
水はあげすぎないように、乾いてきたらたっぷり水をあげる。
害虫がつかないように、カラスに食べられないように。
手間隙をかけて、実際に食べられるようになるまで一ヶ月以上。
そして収穫された野菜を、自分たちで食べた時の感動。
食材の大切さはわかってくれたみたいで、目的は達成されたのですが、
野菜作りの楽しさにはまってしまったスタッフが、
今では自主的にいろいろやっているようで、微笑ましい限りです。
大地の恵み、ありがたいですね。

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