「ふきのとうが出てきたよ。」
先輩からのメールが届き、
チャペルと神殿の間の水路を
見に行きました。
いつもふきのとうに気づくのは
ふきのとうが花開いてから。
今年はこの花日記のために
蕾の状態のふきのとうを見つけよう、
と先輩と話していたのです。
え?でもどこにあるんだろう?
最初の一つを見つけるのには
けっこう手間取りました。
でも一つ見つけたら、
あ、ここにも、あ、あそこにも。
気がつくと、周り中ふきのとうだらけでした。
それは一瞬で魔法が解けるような感覚で、
最初の一つを見つけるまで
いったい自分は何を見ていたんだろう、
と思ってしまうくらいでした。
無い、と思いこんでいたら、
囲まれていても気がつかない。
きっと、ふきのとう探し以外にも
こんな事って、自分のまわりに
たくさんあるんだろうな。
ふきのとうはキク科フキ属の多年草。
葉が出る前に花のつぼみだけが
雪や落ち葉を突き抜けるようにして
顔を出してきます。
まるで寒さに耐えるように、
何重にも苞を纏って出てくるのですが、
顔を出した後はすごいスピードで
茎が伸び花を咲かせます。
そしてその後、地下茎でつながっている
葉が出てきます。
蕾の状態で見つけたら食べようね。
花日記の為、という他に
実はそんな話もくっついていたのですが、
長い冬、地面の下で待っていた
かわいらしいこの子たちを目にすると
とてもとても食べるのは忍びない、
そんな気持ちになるのでした。
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