昨年、70歳前後の私の両親が、
お里である平栗という金沢市の
山間部から採ってきてくれ
ホテル敷地内の神殿の右手土手に
移植したイカリ草が花を咲かせました。
イカリ草は、舟のイカリに見える
その4つの花びらに見える部分に蜜をため、
昆虫達がかなり首を突っ込んでこないと
蜜を吸えない造りをしています。
これは蜜だけ吸って受粉のお手伝いを
してくれないことを防ぐための
イカリソウの知恵。
そして結実した種は地面に落ち、
カタクリと同じように
蟻が好む成分を身にまとう事によって
蟻に種子を運んでもらい、
繁殖範囲を拡げていきます。
私たちが植えたイカリソウは
花の時期が終わっってしばらくすると
葉の色が黄緑から緑に、そして茶色と
季節の移り変わりと共に
明らかに枯れた色になるのですが、
その葉は落ちません。
そして春になるとその根元から
新しい茎が出てきて、
小さな小さな若葉色の葉を
幾つもつけるのですが、
その姿はまるで
昨年の葉が今年の葉を守っている
かのようないでたち。
そして更にその葉の下に
隠れるようにして白い花がつきます。
日本中のイカリソウが
こんなカタチをしているのだと
ずっと思い込んでいました。
でも、調べてみると
イカリソウには色んな種類があり、
どうやらこれは常盤イカリ草という、
東北から日本海側の雪が降る地域だけに咲く
特別な種類のようです。
太平洋側のイカリソウは、というか、
このトキワイカリソウ以外は
秋には葉が落ちるようです。
雪が降る地域でだけ、
子を守るように親の葉が
たとえ枯れても散ることなく残る。
これはただの偶然?
それともそれぞれの環境の中で
学び変わっていったもの?
ひとくくりにしちゃいけない。
色んな形があって、色んな理由がある。
その一つ一つに、
ちゃんと向き合えますように。
そして何故だかはわからないけれど、
東北から日本海側に沿って咲く
トキワイカリソウは、
福井県より北の地域では白い花で、
福井県より南では薄紅色の花が咲くそう。
私にはすべての事には何かしら
そうなった理由があるように思え、
スガタ・カタチよりも
その理由の方が大切に思えてならないのです。

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