5月に入ってから、
敷地内の神殿の前庭が
まるで紫色の絨毯を敷き詰めたように
小さな花が群生しています。
最初はスミレだと思っていたのですが、
日に日に拡がっていく様子から、
あれ?と思いしゃがんでよく見てみると、
その花はスミレより少さく、
鷺草のような形のまったく違う花でした。
その花の名はムラサキサギゴケ。
コケという名前がついていますが、
コケではなく、地を這うように
匍匐茎の横枝でどんどん伸びていきます。
田んぼの畦道や湿地帯に多く見られる、
と言われていますが、
調べてみるとこのムラサキサギゴケは
強害雑草を抑制するという論文もありました。
どうやら花にとっても人にとっても
お互いに良い関係のようで何よりです。
また何だかかわいそうで、実験できませんが
この紫鷺苔はオシベのように見える
雌ずいの突起を小枝などで触れると、
ゆっくりと花が閉じるそうです。
昨年までは見かけなかったのに、
今年になって急に群生し始めた紫鷺苔。
すぐ隣で咲いているレンゲを見ながら
徐々に山の中を流れる水の道が
変わってきているようだなぁ、
と思っていた矢先の紫絨毯です。
植物たちは口を聞けない分、
私たちはその姿をしっかりと観察し、
自然が伝えようとしている事を
心の耳で聞いてあげなければ、
と思うのでした。

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